地方の空家アパートの売却をスムーズにするひと工夫
売りにくい物件でもタイミングと工夫で必ず売ることはできます。
熱しやすく冷めやすい投資物件の買い手の気持ちを萎えさせることなくスムーズに契約、引渡しまで行うことが大事です。
そのための具体的な工夫や教訓を僕の経験を元にお伝えしましょう。
空家物件を取得した経緯
件の空アパートは、相続により取得しました。
その昔は、相続争いになってまで、土地の相続を競っていたものですが、最近では地方の土地はいらないという相続人もいたりしてすっかり様変わりしました。
実は、うちの相続でも地方の空家になったアパートは、だれも欲しがりませんでした。
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家賃は0円
固定資産税は年間6万円
親がお世話になっていた不動産屋も廃業
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このような状況で、遺産分割協議で、だれも引き取り手のなかったこの物件は、長男であり、その物件と自宅が一番近いということで僕が相続させてもらうことになりました。
空家物件の現状を見に行く
まず最初にしたのは、空家物件の現状を見に行くことです。
12月の午後だったと思います。
車で高速道路を使って2時間程ですが、やや高地にあるその物件は、日が傾いた時間では、かなり寒いです。
着いたのが夕方というのもよくなくて、電気が止まっているので、雨戸をあけても傾きかけた日差しでは薄暗くまた暖房も何も使えないので、凍えるながら部屋を回りましたが、あまりに寒く、アイフォンのトーチ(懐中電灯)の光だけではおぼつかなくて、全室見るのはあきらめて、早々に撤退しました。
街の便利な環境で暮らしているとついつい忘れがちですが、冬は寒いし夜は真っ暗になるという当たり前のことに、いまさらながら気づかせてもらいました。
【空家売却の教訓その1】
電気、ガスなどが止まっている場合は、穏やかな気候の午前中に物件確認に行くべし。
空家物件の現状を再度見に行く
空家売却の教訓その1に倣って、それほど寒くなく天気も快晴となった日の朝から家を出て、午前中には空家物件に着きました。
まず、最初にしたことは、全ての部屋のドアをあけることです。
その物件のカギはバラバラに管理されていたので、どのカギがどの部屋のものかをキチンと確認しました。
各室のドアは、2つの鍵穴があるタイプで、2つとも同じカギで開く部屋と、カギが2種類ありそれぞれの鍵穴に、それぞれ別のカギを使って開ける部屋が混在しています。
これを整理して、このカギは何号室の上下共用、このカギは何号室の上の鍵穴用とカギにタグをつけたのが一番最初の仕事です。
【空家売却の教訓その2】
すべての部屋のカギを開けて確認し、どれがどのカギかを一目でわかるように整理しておく。
部屋の中に入ったら
まず、ドアの郵便物受け口から差し込まれたチラシや請求書の類を、すべてビニール袋にまとめました。
この物件は人が住まなくなってから、7年ほどたつので、クシャクシャになった請求書なども捨ててしまっていいと思いましたが、
土地勘のない地方なので、捨て方がわかりません。そこで、あとで仲介を頼んだ不動産屋に捨ててもらうようにお願いしました。
次に、雨漏り跡はないか、壊れているところはないか、などざっと見ながらすべての部屋を隈なく写真にとりました。
アパートの部屋はどの部屋も似ているので、あとでどの写真が何号室のものかパッと分かるように、まずは部屋番号を書かれている玄関ドアを写してから、その部屋の中を写すようにしました。
この写真は後に仲介してもらう不動産業者にファイルごとお渡ししました。
壊れた場所や水漏れ跡がありましたので、これらをキチンと写真に取り、包み隠さず仲介業者に説明するのが、飛込みで入ってきた一見の売主が、ちょっとでも信用してもらうのに役立ったと思っています。
この日は、物件の現状を確認するにとどめ、一度自宅に戻りました。
【空家売却の教訓その3】
水漏れ跡や壊れているところなどの物件のマイナス面をキチンと把握する。
不動産屋に託す合いカギの作成
カギのラベリングをキチンとしてから、その合いカギを3束作りました。
この合いカギも、100均で買ったラベルを使って分かりやすく整理しました。
売買契約をまとめてくれた業者さんから、あとで聞いたのですが、合いカギを預けてもらえたのが、とてもありがたかったと言ってくれました。
この合鍵を渡したのが、業者さんが本気になってくれたポイントだと思いいます。
売主のなかには、「買いたいという人が来たら、鍵を持っていくよ」といって不動産業者に物件のカギを預けない人も多いようですが、いつ買いたい人が物件を内覧したいと言ってくるかわかりませんし、必ずそのときに売主がカギを持っていけるとも限りません。
それでは気まぐれな買主候補を繋ぎとめることは難しいでしょう。
不動産業者もカギを預かれない物件は、手間はかかるし、せっかくの買いたいという人を取り逃しやすいので、積極的に売ろうとはしなくなるはずです。
合いカギを作るのなんて、1時間もあれば済みますし、ディンプルキーでない普通のカギなら1本1000円もかからずに作れますので、このほんのちょっとの手間と費用と、不動産業者を信頼することがスムーズば売却の第一歩となったと思います。
物件の売り出し価格をいくらにするかの心づもりを決める
まず、リビンマッチやHOME4Uのような不動産一括査定サイトで、大凡の査定をしてもらいます。
これらの一括査定サイトと提携している不動産会社は、都市部の会社が多いので、地方の不動産を査定してもらう際には、複数の一括査定サイトを利用して、ある程度の査定数を確保するようにしてください。
1社だけの査定ですと、大きく間違えている可能性もありますので、必ず複数の不動産会社からの査定を得られるようにします。
これらの比較サイトは、売買価格を提示するだけですから、そこで売却までする必要はもちろんありません。価格だけ知って売買自体を止めても全く問題ありませんので気軽に使ってください。
電話番号なども登録しますが、迷惑電話がガンガンなり続けて困ることもなかったです。
こうして得た相場を補完する意味で固定資産税評価額もチェックします。
これは毎年送られてくる固定資産税納税通知書で簡単に確認できます。
以前は、この数字は実勢価格に比べてはるかに低い数字でしたが、
最近は、特に地方ではこの数字くらいでの売買が多くなっている感があります。
売買事例が多い都心の不動産でしたら、Yahoo不動産などの売買情報などが大きな参考になると思いますが、地方の一棟売りアパートの場合は、類似物件の情報掲載数が多くないので、Yahoo不動産などのインターネット上に公開されている売買情報は参考にしませんでした。
とりあえず、一括査定サイトの査定結果と固定資産税評価額だけを押さえて何件か不動産を回ってみることにしました。
一括査定サイトで査定してくれた不動産屋の中で査定額が高いところと、後は独自に以下の方法で探した不動産屋を回りました。
土地勘のない地方で売却を頼む不動産屋の探し方
結論からいうと地域名+売買+不動産屋の検索で、よく見かける不動産屋に上から順に2件までに声をかけたら、あっという間に売れました。
売却を依頼する不動産屋の探し方にはこんな方法が思いつきました。
- ・取引のある銀行に評判のいい業者を聞く
- ・物件の最寄り駅周辺を探す
- ・物件の周辺を探す
- ・物件ある地域の知人に紹介してもらう
- ・インターネットで探す。
ただ地方にある物件で、駅からも遠く、物件周辺には不動産屋などなく、つきあいのある銀行もなかったので、
実は一番最初は、物件がある地元に、たまたま知り合いがいたので、地元の不動産屋を紹介してもらいました。
知人の紹介ということもあり、専任仲介で依頼しましたが、1年間まったく動きなく、業者からの連絡もなく、売れる気配すらありませんでした。
地元の人とはいえ、不動産を売買することは滅多にないので、どこが良い業者か怠惰な業者かは、ハッキリは分からないものです。
また、地方だと専任で受けてもあまり本気にならない業者もいるようで、
専任仲介は2週間ごとに業者から売主に状況報告が義務付けられていますが、1年間まったく先方からの連絡はありませんでした。
一般媒介で適度な競争心を煽ったほうがうまくいくケースが多いように思います。
一般媒介でお願いする不動産屋は何件くらいが適切なのかという疑問が湧くかとおもいますが、ここは意見が分かれるところです。
人によっては、ガンガン色々な業者に声をかけるべきだという投資家もいますが、僕は2件にしています。
1件が本命で、もう1件が対抗です。
与党と野党のようなイメージでもあります。
与党が1党だと好き勝手されてしまうので、決める力は弱くても野党がいたほうが適正な価格で売れやすいです。
なぜ複数業者に売却依頼したほうがいいのか、業者の気持ちになって考えると
不動産売買は、リピーターになることは少なく、特に売主は一見さんであることがほとんどです。
ですので、極端な言い方をすれば、不動産業者は、売主に気に入られる必要はないのです。
もし1社の不動産業者と専任契約をした場合、業者の最大の目的は、売主の希望価格を守ることではなく専任期間中、つまり3ヵ月以内に売買を成立させることが最優先されます。
そこでスムーズに売買を成立させるために、できるだけ売却価格を下げたいのが業者の本音です(たぶん)。
ですので、売主が相場に疎い場合は、本来の相場よりも低い価格を提案してくるでしょうし、まずは専任を受けてから、売出価格を下げることを提案してきたりしやすくなります(たぶん)。
ところが、これが2社以上に頼んでる場合はどうでしょう。
売主は高い売出価格を言ってくれる業者が好きですから、一番高い売出価格を提示した業者が優先されます。
もしかしたら、その業者の専任になってしまうかもしれませんから、他の業者もその高い売出価格にそろえなくてはなりません。
こうなったときの業者の最大の目的は、他の業者よりも早く売出価格も下げずに成約させることになります。
まさに、売主の希望と一致するのです。
ただこれが5社とか10社とか依頼してしまうと、各社とも本気で動かなくなりやすいです。
2~3社くらいが本気で業者が動いてくれる数だと思います。
不動産屋に売却依頼のときに渡すもの
売却依頼のときに渡すものは、特にありません。
自分が本人である証明に免許証くらいはあったほうがスムーズです。
権利書などは最後最後まで持っていく必要はありません。
登記が自分のものになっていれば、土地の地番や建物名称を伝えることで、仲介業者側が調べてくれます。
土地建物を相続した場合などは、この登記をし忘れる人が多いのですが、遺産分割協議が終わったら、すぐに登記するようにしましょう。
あと、渡したほうが絶対いいのが「合鍵」です。
その理由は、すでに紹介しましたが、大事なポイントなので、もう一度書いておきます。
購入希望の人がフラッ仲介業者に立ち寄ったときに、すぐに内覧できるかどうかで購入希望者のヤル気は全然変わってきます。
また、仲介業者もカギを預かれている方がスムーズに紹介できるので、優先して紹介してくてます。
売出希望価格の決定
まず、売出希望価格は、こちらから言わないのが鉄則です。
その理由は、業者は売主に出来るだけ低い希望額で納得してもらいたいというのが本音です。
そのほうが早く確実に成約できるからです。成約しなくては仲介業者は、1円ももらえません。
もし、こちらから言った売出希望価格が相場よりも低かった場合は、その割安な価格で売り出されてしまいます。
逆に希望額が相場より高いと、業者は本気で売ろうとしません。
労力かけても売りにくいからです。仲介業者の立場で考えれば当然のことですね。仮に僕が仲介業者だたっとしてもそうすると思います。
次に大事なのが、
「急いでいません」ということ。
これは、こちらから言わなくても仲介業者から聞かれることが多いです。
「はやく売りたい」というと、では売出価格を下げましょうという話になってきます。
下手すると、業者が買い取りますみたいな話になりかねません。
業者の買取は、もちろん相場ではなく、相場よりも3割くらい安い価格になりますので、避けたほうがいいのは言うまでもありません。
複数業者に一般仲介で売却を依頼するときの注意点と一工夫
当たり前のことですが、どの会社にも同じ条件でスタートしてもらうことが大事です。
異なる売り出し価格がネットに掲載されてしまうと、買おうと思っている人から見ると、非常に怪しい物件に思われてしまい、売りづらくなるので、表に出る価格は必ず各社とも揃えてもらうようにしましょう。
ただし!
その価格からびた一文負けないというのではなく、価格交渉には応じることも、それとなく伝えておいたほうが、仲介業者に売り易い物件だと思ってもらい、優先的に紹介してくれるようになると思います。
ですので、そもそもの売却希望価格を、高いものにしておいたほうがいいです。僕の場合、複数の業者に聞いたなかで、一番高い提示価格に揃えました。
古家ならではの業者からの提案への対応
空き物件で築年数も古い場合は、仲介業者からこんな提案を受けることがあります。
「古家ありだと売りにくいから更地にしてから売りましょう」これ、絶対そのまま受け入れないでください。
更地にするだけでも何百万とかかりますし、更地のまま売れずに1月1日を超えると、もとが住居用の物件だった場合、固定資産税がなんと6倍かかってきます。
解体費用を何百万もかけて、売却代金も入らずに、法外な固定資産税がかかってくるという最悪のケースになりかねません。
このような提案をしてくる仲介業者は、大手チェーンによくあります。大手チェーンの不動産会社は、様々な会社が不動産仲介のチェーンに参加する形で運営されています。
そのもともとの会社が建築会社だった場合、このような更地にしてから売りましょうという提案をしやすい傾向があるようです。僕も最初に頼んだ全然売れなかった仲介業者はもともとが建築会社でした。
更地で売れば、買った方から建築の依頼も受けれる可能性が高いので、業者としては更地で渡したいのはわかりますが、売れなかったときのリスクはすべて売主が被ることになりますので、受け入れがたい提案であるのは明白です。
もし業者が「更地にしてから売りましょう」と言って来たら、
「土地が売れてから、古家が必要ないという買主であれば、売主側の負担で更地にします」とするのがよいでしょう。
最近は、建物が老朽化したボロ物件を買って、きれいにリフォームして賃貸に出すという投資が流行っているので、意外と古家をそのまま買ってくれる買主もいます。
その場合は、必ず瑕疵担保責任がない旨を契約書に書いてもらうのを忘れないようにしましょう。
売却依頼直後が大事
優秀な仲介業者が土地、建物を売るときの流れは、大凡こんな流れだと思います。
(1)自社の抱えている購入希望客に連絡
(2)自社のサイトに登録がある顧客にメールで公開
(3)自社ホームページへ記載
(4)不動産ポータルへの掲載
僕は、仲介業者でないので、ハッキリとはわかりませんが、大筋はあっているでしょう。
より確実に両手取引となる顧客に優先的に話を持っていくことでしょう。
僕が仲介業者ならそうします。
で、一番、売れる可能性が高いのが、1番目の自社の抱えている購入希望客だと思います。
つまり依頼した直後が、実はかなり売れる確率が高いことが多いです。
買主が本気なほど、色々な確認が仲介業者を介してきますので、電話やメールを頻繁にチェックするようにしましょう。
空アパートを買うような買主は投資目的です。
投資物件を探している人は、今その物件を買わないと困るわけではないので、
熱しやすく冷めやすい買い手です。
買主の買う気を損ねないようにするためには、契約前の確認事項にはできるだけ迅速にこたえられるようにしましょう。
買主の買う気を加速させるには
優秀な仲介業者なら売主が何も指示しなくてもやってくれますが、もし売却依頼したのが普通の仲介業者であった場合は、買主をさらに買う気にさせるように売主も働きかけるとよいでしょう。
その方法は、
この物件が人気物件であることを伝えるだけです。
複数の業者に頼んでいたら、
買いたいという人が現われた仲介業者に、もう一方の業者の紹介状況を伝えるのです。
このとき幸運にも、もう一方にも買いたいという人が現われているとベストですが、
とりあえず問合せが何件かあれば、その旨の連絡を入れるだけでもいいと思います。
急いで決めないと相手方に取られてしまうと購入希望者もそれを仲介している業者も思ってくれれば、無駄な時間や大幅な値切りなく売ることができます。
これが複数業者に依頼する最大のメリットです。
契約の流れ
不動産売買の契約は2回に分かれていることが多いです。
- ・売買契約の締結と手付金の授受
- ・残金の支払いと物件の引渡し(所有権移転)
そんなに金額が高くなくて、売主、買主、物件の距離が遠いときなどは、
一度に行うこともあります。
今回、僕が売った空アパートも売買契約と物件引渡しを同時に行ったので、その流れで説明します。
物件引渡し当日に売主がすること
まずは重要事項説明書と契約書の内容を、宅地建物取引主任者の免許を持つ者が1項目づつ読み合意出来たら、記名押印します。
事前に確認しているので、基本はそのまま合意しますが、直前に先方の意向で変更箇所がある場合は、その箇所が納得できるかよく考えてから記名押印してください。
もし、修正が希望でしたら、遠慮なく言うことが大事です。
売主の一番大事な仕事は、入金確認です。
不動産売買の代金決済は、現金か振り込みが基本です。
多額の現金を持ち歩くのは危険ですし、数え上げるのも大変なので、振り込みで決済することが一番普通だと思います。
で、この振り込みですが、電信で振り込んだとしても、一瞬で振込先に入金されるものではありません。
実は、物件引渡しの数日前に、自分の口座に他の金融機関から1万円振り込んで実験してみました。そのときは信金のATMから振り込み処理して、1分後に着金を確認できました。
ただ、これは早い場合だそうです。自分のメインで使っている銀行に電話で聞いたところ、入金処理の混み具合によって、1分~2時間くらい幅があるそうです。
また買主の振り込み伝票に、曖昧な記載があった場合は、その確認を人間が行うため、午前中の振り込みが、夕方近くまで入金確認できないこともあるそうです。
特に「ごとうび」とよばれる、5、10、15、20、25、30日や月末、月初、大安の日は込み合う傾向があるとのことでした。
大きな契約はいまだに、大安の日に行う人が多いとのことでした。
着金確認の仕方は、昔ながらの電話でもいいですし、スマホで口座情報が確認できるなら、スマホでもいいです。
どちらにしても、普段あまり行わないのでしたら、一度事前に練習しておいたほうがいいでしょう。
電話が繋がるまで、どんなパスワードをいれるのかとか、ぶっつけ本番だとつまらないミスでなかなかつながらないなんてことも起こりえます。
入金の確認ができないと、その日は先に進みませんから、売主の入金確認は、重大な仕事です。
電話での入金確認の仕方の一例
銀行に電話⇒口座番号、暗証番号、パスワードなどを入力⇒オペレータの本人確認に答える⇒本日不動産の引渡しで売買代金が入る予定なので、その入金確認をしたいと伝える。
銀行によって異なりますが、口座番号やパスワードの入力を一度練習しておいた方がいいでしょう。
スマホでの入金確認の仕方の一例
スマホで口座残高が確認できるアプリやサイトがあるのなら、こちらが手軽です。
ただ更新がリアルタイムで行われるものなのか、こちらも一度事前に試して確認しておくと安心です。
当日は、買主、仲介業者、司法書士の皆さんが、売主の入金確認をジッと見つめてシーンとした中、入金確認をする感じなので、なんてことない作業なのですが、緊張してしまう人もいるでしょう。
焦って暗証番号を度忘れする人もいるかもしれません。
できるだけそうならないように、一度事前に練習しておくことは大事だと思います。
このようにして無事に入金確認できましたら、いよいよ物件の引渡しです。
権利証を同席している司法書士に渡せばOKです。
実は買主の入金手続き前に、同席している司法書士に権利書を確認してもらうように促されます。
その司法書士の先生が権利書を確認してOKを出すと、買主が振り込み処理をしてくれます。
権利書の確認後は、売主と司法書士の中間くらいよりやや司法書士よりに権利書は置かれます。
なので、こちらから渡すというよりは、入金確認後に司法書士が権利書を持っていく感じになります。
買主からすると、この権利書をもって司法書士が登記するこの過程が一番大事なところです。
ですので、物件を買うときは、仲介業者が紹介してくれる司法書士でなく、いつもお願いしている司法書士の先生に依頼する買主さんも多いです。
売主は、入金確認までが一番の大仕事ですので、ここまでできたらもうほぼ完了です。
権利書は司法書士が勝手に持っていきますので、あとは、不動産屋が用意してくれた売買代金の領収書に印を押して、買主さんに渡すくらいで、売買契約と引き渡しは完了です。
税金分は別に取っておく
ある程度まとまったお金が入って嬉しいの分かりますが、まずは税金分を別にしておくことをおススメします。
個人が売主の場合、5年以上保有して売った場合は、売却益の20%
5年未満だと売却益の40%の所得税・住民税が掛かります。
納税のタイミングは、所得税が3月の確定申告のタイミングで、住民税は翌年の住民税の加算して各期ごとに引き落とされます。
これら納税に備えるために、まずは売却益の20%を納税用に別の口座に移しておくことが賢明です。
売却益の計算は、ざっくり説目すると 売却益 = 売却価格 -(取得費-減価償却費)
となります。
減価償却費の計算がややこしいので、
5年以上の長期譲渡の場合は、多めに見積もって、売却価格の20%を納税用にとっておくとよいでしょう。