不動産の買取と仲介、どっちで売ったほうがいいか
不動産を売るときに、買取か仲介のどちらかを選ぶだけで1000万円くらい売れる値段が変わることなんてざらにあります。
この売り方の違いは、ハッキリと理解しておきましょう。
この2つの売り方の意味は、
・買取とは、不動産屋に直接買い取ってもらう
・仲介とは、不動産屋に買い手を探してもらう
注)もう少し詳しく言うと仲介は、さらに3種類に分かれます。
⇒ 一般仲介、専任仲介、専属専任仲介のどれがいい?
買取、仲介とも、それぞれメリット・デメリットがありますので、あなたの現状や希望に合わせて選びましょう。
まずは、両者の比較を見てください。
不動産の買取と仲介の比較
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
売却額 | 高め | 安め |
売却期間 | 長め | 今すぐ |
近所にバレる | バレやすい | バレない |
瑕疵担保責 | 基本あり | なし |
いかがですか。
仲介のほうが高く売れるけど、リスクやデメリットも抱えるということが浮き彫りになりました。
各項目について、もう少し詳しくみてみましょう。
買取と仲介の売却額の比較
今回、比較した項目の中で、だれしも一番気になるのは売却額だと思います。
いくらで売れるかだけ見ると、仲介に軍配があがります。
通常は買取のほうが安くて、仲介で売れる金額の7~8割くらいで買い取られることが多いです。
例えば4000万円台のマンションを売る場合、
買取は、仲介よりも1000万円前後安く買いたたかれることも珍しくありません。
1000万円安くてもかまわないという人は少ないので、普通は、
不動産を売却するなら、
「仲介」と覚えておきましょう。
買取と仲介でそんなにも売買金額に差が出るなら、買取なんて何の意味があるの?と思ってしまいますよね。
でも買取のほうが安くなることを知った上で、買取を選ぶ人も実際にいます。
他の項目の比較も見てみましょう。
買取と仲介の売れるまで期間を比べる
売却期間については、買取に軍配が上がります。
買取できる物件の場合は、不動屋にお願いすれば、すぐに買い取ってくれます。
仲介の場合は、ケースバイケースになります。一瞬で決まることもあれば3ヶ月待っても売れないこともあります。
仲介で売れるまでの期間が影響しているのは、主にこの3つです。
・その時の金利や景気による不動産売買市場の勢い
・あなたが売ろうとしている物件の魅力度
・相場と売り出し価格の差
この中で、売主がすぐに調整できるのは「売り出し価格」だけです。
特にマンションのような誰にも受け入れられる間取りの不動産は、価格によって売れるまでの期間が大きく変わります。
相場よりも、若干下げることで、すぐに売れることも珍しくありません。
若干下げると言っても、2~3割も下げずに効果がありますから、仲介で安めの売り出し価格にしても買取の額よりも高く売れることのほうが多いです。
ですので、売れるまでの期間でみても、仲介のほうがおススメです。
ただリスクとしては、安くすれば絶対にすぐ売れるという保証はないことです。
どうしても急いで売らなくてはならない事情がある人は、買取を選ぶ場合もあります。
買取と仲介、近所にバレるかどうか
ここは気にする人と、気にしない人に大きく分かれる項目です。
目だった近所付き合いもない場合は、気にしないで大丈夫です。
そういう場合は、仲介でいいでしょう。
ただ、お子さんが小さく近くにママ友が住んでいるとか、何かしらの近所付き合いがあると、ご近所に内緒で家を売りたいという人もいるでしょう。
仲介であっても、店頭に物件情報を貼らないようにとか、インターネットに掲載しないでとお願いして売却してもらうことは可能です。ただ近所の人が物件を購入するケースは多いので、近隣に公開しないと売りにくくなることも事実です。
すんなり売れれば問題ありませんが、なかなか売れずに近所の人にも売り出していることが知れ渡ってしまうと、なんとも暮らしにくい感じを受ける人もいます。
こういうのを嫌って、安くても買取にする人も、少数派ながら実在します。
瑕疵担保責を問われたくない
瑕疵担保責任って聞きなれないかもしれないので、少し説明します。
瑕疵担保責任とは、一般の人に家を売ったあと一定期間は、雨漏りなどの不具合が生じたときに、元の持ち主が修繕費を負担する必要があることです。
その保証期間は、契約書で定めますが、3ヶ月~2年くらいが一般的です。
築浅のマンションなどならあまり問題はありませんが、古い一軒家などの場合、売却後に雨漏りなどが発生して、売主の責任が問われることは実際にあります。
売主からしてみたら、一番避けたい事態です。
瑕疵担保責任を回避する方法は2つあります。
1つは買取です。瑕疵担保責任は一般の人に売った場合に発生する、いわゆる消費者保護の一環なのです。
不動産業者に売却した場合は、売主は瑕疵担保責任は負わないことになっています。
業者はプロなのだから、物件の瑕疵くらい事前に見抜けるだろうというのがその根拠です。
もう1つの瑕疵担保責任を回避する方法は、売買契約書に売主は瑕疵担保責任を負わないと明記することです。
ただしこの方法をとると売れにくくなりますし、売れる場合も指値といってかなり値切られることはある程度覚悟しておくことが必要です。
買取のメリット、デメリット
買取のメリット
ただ買取にもいくつかメリットがあります。
・早く現金化できること。
・いつ売れるか不安な時期を過ごさないでいい
・近所の人に、売却中ということがバレない
・瑕疵担保責任を問われない
買取のデメリット
最大のデメリットは、売却金額が安くなってしまうこと。
また、どんな物件でも買い取ってもらえるわけではないこと。
不動産屋のほとんどは、手数料商売をしています。
そのほうが元手もかからずリスクが少ないからです。
そんな不動産屋が、自分のお金を出してまで買うということは、すぐに売れる見込みが高い物件ということです。
なので、仲介でお願いしても売り出し価格が適正なら、売却に困ることはないはずです。
買取のほうがいいケースは、
・急いで売りたい人
・建物が古いので瑕疵担保責任を負いたくない人
こうゆう事情の人は買取を選ぶ場合もあります。
仲介のメリット、デメリット
仲介は、不動産会社が直接、買い取るわけではないので、いつ売れるかの確証はありません。
また絶対売れるという保証もありません。
ただ都市部のマンションなどでしたら、流通もかなりあり、
立地が大切というのはありますが、価格次第で必ず売れる金額というのもあります。
ですので、売れないリスクを過度に心配することはないでしょう。
仲介のメリットは、
買取に比べて、2~3割高く売れること。
これが一番インパクトが大きいです。
デメリットは、
いつ売れるか分からない。
売り方によっては近所に売却中というのがバレる。
契約書によっては瑕疵担保責任を負う。
ただ、2、3番目のデメリットは、仲介業者にお願いして近所に分からない売り方にしたり、瑕疵担保責任免責の契約にするなどして回避することも可能です。
仲介vs買取のまとめ
各項目ごとに、〇×評価していくと、
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
売却額 | 〇 | × |
売却期間 | △ | 〇 |
近所にバレる | △ | 〇 |
瑕疵担保責なし | △ | 〇 |
このような感じになります。
売却額が大きいというのは、やはり最大の要因となりますので、
よほど急いでいなければ仲介による売却がいいでしょう。
仲介を選ぶだけで、例えば4000万円前後のマンションでしたら、絶対ではありませんが、買取に比べて1000万円前後も高く売れるのですから。